5月13日(水)の夜のニュースで、文部科学省による来年度の高校入試について感染拡大により休校が長期化した生徒が不利にならないように、地域の中学校の学習状況を踏まえ適切な出題範囲を工夫するなどの配慮を求める通知を全県の教育委員会に出すとの報道がありました。この件について、当塾では以下のような思いを持っております。
しばらく前から県内の公立高校の先生方の一部で、来年度の高校入試問題を中1・中2学習範囲中心に出題するべきではないか?との意見が出ているとの話を耳にしていました。
もしも埼玉県が中1・中2学習範囲中心に出題するとした場合、問題はかなり難しくなると思われます。それは県入試が浦和高校を頂点とするピラミッドをいつの時代も維持してきたことからも想像できます。それが正しいかどうかに関わらず、県入試は常に高校間の序列を作り続けてきました。浦和の合格者と大宮、そして川口と草加南といった難易度の近い高校であっても、合格者の各教科の平均点を同じしない。そのための入試問題作りが続いてきました。したがってどの学習範囲が出題されたとしても、解きにくい難易度の高い問題の割合は変わらないとの見方ができる思います。ですから出題範囲がたとえ減ったとしても、解きやすい問題にはならないはずです。
その上、こうした新たな出題範囲には入試過去問題がありません。過去問題のない高校入試がどんなものになるのか? そこにも大きな不安があります。そして新たな出題範囲の高校入試が一年で終わるのかどうか。それについても不安です。
令和2年5月16日
シローズアカデミー 福本